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長良川二十四節気

写真家アーウィン・ウォンが撮る、美濃手漉き和紙職人

featuring

一枚の紙に技を注ぐ瞬間をとらえる。
人気写真家 アーウィン・ウォン(Irwin Wong)氏が見た、
美濃和紙づくり

 

ライフワークとして日本の職人を撮っている写真家、アーウィン・ウォンさん。
これまで、長良川鵜飼の鵜匠や、岐阜和傘の張り師郡上の下駄職人郡上本染職人の写真をご紹介しました。

香港出身のアーウィンさんの写真は、ただ人物を写すだけでなく職人の気質やかっこよさを感じ取ることができます。目の前の作品に想いを込める、ピンッと張り詰める空気感までも伝わります。

今回ご紹介するのは、美濃市の手漉き和紙職人を撮影した作品です。

長良川の水と伝統の技が生み出す、手漉き和紙

長良川中流の岐阜県美濃市に伝わる伝統工芸で、1300年以上の歴史を誇る美濃和紙。
中でも本美濃紙は、日本の手漉き和紙技術としてユネスコ無形文化遺産にも登録されるほど、今や世界から注目されています。

今回アーウィンさんが出会ったのは、
「大光工房」の手漉き和紙職人、千田崇統(せんだたかのり)さん。

千田さんの漉く和紙は、気の遠くなるような工程数と時間とで成り立っています。
原料となる楮(こうぞ)の木を蒸し、
皮を剥ぎ、
水に浸してゴミを落とし、
釜で煮出し、
一つ一つ手作業でゴミを取り除きます。
専用の機械で繊維を細かくほぐし、
一枚一枚手で紙を漉き重ねます。
それを脱水し、
干して選別したら
やっと和紙に仕上がります。

師匠から受け継いだ住居兼工房のすぐそばには、長良川支流の板取川が流れます。
紙漉きの作業工程には大量の水が必要とされるので、紙漉きに関わるこの地の人々にとって板取川は欠かせない存在です。

最盛期には住民の9割が紙漉きをしていたほど、水が豊富な土地。時代が変わり、今では紙漉きを生業にしているお宅は10軒ほどに減りました。
そんな中、千田さんはこの地に移住を決め、和紙づくりの新たな担い手となって活躍しています。

紙の厚みを均等に漉きあげる緻密さ。
スピーディーな動き。
まっすぐな力強い眼差し。

アーウィンさんの写真からは、
無言の真剣な空気の中で、しぶきをあげる水音だけが聞こえてきそうです。
「千田さんが受け継いだ技や道具は、次の世代へ繋がっていくに違いない」と思わせてくれる力強さが伝わってきました。

 

<写真家アーウィン・ウォン(Irwin Wong) 人物紹介>
香港生まれ、オーストラリア育ちで、現在は東京を拠点に活躍。
アエラ、フォーブス、ワシントンポストなど、世界20か国以上の雑誌で活躍する写真家。
俳優や建築家、あらゆる業界の大物を写真におさめています。
光を強く意識して人物を撮影することに定評のある彼が、ライフワークとして撮っているのが「日本の職人」シリーズ。
鵜匠を日本のアルチザン(職人)として撮影するため、岐阜を何度も訪れています。
型にはまらない独自の世界観と色彩感覚が魅力。口数は少ないが笑顔がチャーミング。

アーウィン・ウォン  / Irwin Wong
公式サイト
Instagram

 

2017-09-07

長良川二十四節気枠フッター
野村 ひとみ
ORGAN情報発信担当・ライター。 福岡育ち東京暮らし8年を経て、ダンナさんの地元岐阜に移り住み早5年。昆虫大好きな息子とレコードオタクでカメラマンのダンナさんと共に、自然の豊かさ、長良川の奥深い魅力、採れたて野菜の美味しさに日々感動しつつ、岐阜ライフを楽しんでいます。