オンラインで舞妓さんと遊ぶ体験をしました。結果、人見知りの私もすっごく笑って、堪能しましたよ!舞妓の喜りんさんと幇間の喜久次さんにおもてなししていただきました。

自宅で舞妓まいこ幇間ほうかんさんと遊ぶオンライン体験会に参加してみました。

 

岐阜の舞妓さんと「ZOOM」でつないで、みんなでお座敷遊びをするモニター体験をしました。
結果、人見知りの私もすっごく笑って、伝統文化を存分に堪能しました!
これは新しい形として十分アリです。
 

オンライン舞妓遊びって何するの?

 

 
「お座敷遊び(芸者遊び)」とは、「お茶屋さん」で芸妓さんや舞妓さんとお酒や余興を楽しむこと。
岐阜市の場合は鵜飼を舞妓さんと楽しむ「船遊び」バージョンもあります。
おいしいお料理とお酒をたのしみながら、
舞を見たり、舞妓さんたちとお話ししたり、
簡単なゲームを楽しんだりするのが一般的。
 
でも、オンラインでどこまでできるのかな……!?と。
 
試験的な会ですが、
ベースは普通のお座敷遊びにのっとっていて、
貴重で愉快な体験となりました。
 
ナビケータ-は、 岐阜市の花柳文化を継承する鳳川伎連(ほうせんぎれん)さんです。
日本で数人の「幇間(ほうかん)」=男性芸者の喜久次(きくじ)さんと、
2020年2月にデビューしたての女子大生舞妓 喜りん(きりん)さんがお相手をしてくださいます。
後継者不足が問われる花柳界の伝統を守っていくため、頑張っているお2人です。

 

まずはおいしそうなお料理が自宅にやってきました!

 

濱芳

2020年5月某日。
コロナ禍でリモート会議システム「ZOOM」を通じたオンライン飲み会が流行するなか、
私はZOOM飲み会自体、未経験。

初ZOOM飲み会が、舞妓さん・幇間さんと一緒という
敷居が高いんだか低いんだかよくわからない、
けどなんだかとっても面白そうなことになっております。
 

お料理は、岐阜市御浪町の名店割烹、濱芳(はまよし)さんのお酒にあう特製おつまみ詰め合わせです! 自宅自粛期間中なので、主催者の方に届けて頂きました(今後の形式は未定)。
濱芳名物のばってらが入ってます。うれしい! 鮎の一夜干しも岐阜っぽい!

 

何事も形から入る私は、ZOOMの背景から変えてみました

 
せっかくなので、船遊びの写真を背景に、水うちわも用意して、ZOOM会議室にログインしました。まず使った写真はこちらの出船風景↓。(……うけた、よかった……)

鵜飼と舞妓遊び

本当のお座敷と同じく「ちょっと、きれいめの格好で」がドレスコードです。
(おうちといえど、ジャージでは気分があがりません)

実際の船遊びと同じく、6時半にスタートしました。
参加者は10名。多からず少なからず。
うち4名が東京から参加という、オンラインならではのメンバーです。
ZOOM画面
東京からは、喜りんさんと同時デビューした、芸妓の多満次(たまじ)さんも参戦。

 

まずは舞の鑑賞や、伝統文化の説明で、一見さんでもわかりやすく

 

岐阜舞妓
岐阜舞妓

喜久次さんからのご挨拶、
喜りんさんの舞で華々しくはじまったあと、
参加者みんなでお料理を楽しみつつ自己紹介。
そして舞妓さんの衣装の説明などで、
初心者でもわかりやすく世界観に加わっていきます。
 

東京組も「岐阜のお酒を飲んでますよー」と見せあいっこ。
メンバー

続いてお座附き(季節の舞の披露)。喜久次さんの舞です。

岐阜の花柳界では 鵜飼にちなんだ『かざをりゑぼし』という舞いが鵜飼いの時期の定番です。
鵜匠をあらわす動き、川をあらわす動き。
舞に詳しくない私にも所作で伝わってきて、空気が凛とするのを感じます。

 

見るだけでなく、自分も話してみる、歓談タイム

 
そのうち日も暮れ、私も背景を夜の鵜飼の風景に変えてみました。↓

本来のお座敷遊びなら、ここで参加者同士、歓談タイム。
 
オンラインだと、どうしてもTVを見ているみたいになってしまうので、実験的にZOOMの「ブレークアウトルーム機能」を使った、参加者を振り分ける少人数タイムがはじまりました!

しかも、ランダムに選ばれた4人のなかには、東京の歌舞伎役者さんが!こんなこともオンラインならではの貴重な機会!でも緊張!

5分間のトーク、大人なみなさんのおかげで、終わってみれば親近感が湧いて、後半のゲームにより一体感がでることとなりました。
思えば普通の飲み会で、同じテーブルの人としゃべるシーンと同じと言えますね。
 

早めのお遊びタイムでみんながひとつに盛り上がる

 

本来のお座敷よりは少し早いですが、ここらで楽しいお遊びの時間です。
 
オンラインでできる余興、その1。菊杯(さかずき)、菊の花などと呼ばれるゲームです。
 
人数分の杯をお盆に伏せて、「親」になった人が、小菊の花(今回は葉っぱ)を1個だけ、杯へ隠しておきます。
全員が一人ずつ杯をあけていき、もし「当たった!」となったら、すでにあいている杯の数だけお酒を注いで呑まねばなりません。
 
おおお、10人いるということは、最後に当たると10杯分ですよ……!
 
飲めない人は大丈夫、飲むのが大好きな人へ身代わりを指名させてもらえます。
リモートなので飲む量は自己責任、目分量でOK。
とはいえ、飲める人でも、杯が多くなってくると、ドキドキ……

当たったー!なんと未成年の舞妓、喜りんさんがあてたので、身代わりは幇間の喜久次さんです。絵に描いたような展開にみんな大笑い!

 
オンライン余興、その2。行司拳。
じゃんけんする2人と行司役1人を決めます。
行司が「勝ちのみ」「負けのみ」「あいこのみ」をあらかじめ宣言。
「勝ちのみ」なら勝った人が、「負けのみ」なら負けた人がお酒を飲みます。
「あいこのみ」の場合は、あいこになったらじゃんけんした2人ともがお酒を飲みます。

ただし、「勝ちのみ」「負けのみ」と言っていたのに、結果があいこになったり、
「あいこのみ」と言ったのに結果が勝ちか負けになったら、行司がお酒を飲みます。
 
待って……?これ、行司が飲む確率高くないですか!?

 
これも、なかなかなドキドキ!でも飲めない人には、こちらも身代わり制があるので大丈夫。
というわけで、指名されて2名分を喜久次さんが飲むシーンも。
でました、2杯いっぺんに飲む秘技、滝流し。名人芸!

 

本来、屏風を使う芸も、画面でやってみる

 
お座敷芸というと、屏風を使う芸も多いのですが、ここでは画面を利用して「さのさ」という芸を。

これは実際に見た方が面白いので、あまりネタばれせずにおきます。
 
気になる方は、本来の屏風バージョンを動画でどうぞ。

 

そんなこんなで、盛り上がりのうちにお開きの時間

 
夜9時。
岐阜の宴席の〆は、「おばば」という歌を歌う伝統があり、花柳界ではこの歌にあわせた踊りもあります。

 
いまの技術では、オンラインは音が少し遅れるので、手拍子など難しいところですが、とりあえず今日は、自分の心の内で揃えばよしとして。

 
さすが、伝統として受け継がれたおもてなしのプロ。
オンラインでもちゃんと一人一人にさりげなく気を配っていただいていて、気づけばたっぷり笑っていました。
敷居は全然高くなかったのでした。
 
オンラインお座敷、今回の体験会の声を元に、いろいろ考えていかれるそうです。外国からでも参加できそうですね!

 

─── お問い合わせ ───

鳳川伎連
〒500-8068 岐阜県岐阜市上太田町2丁目4
TEL. 058-265-5887
Facebook https://www.facebook.com/housengiren

 
オンラインお座敷でも使える、和傘の背景画像も当サイトで無料配布していますので、ぜひお使いください。

 

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