夏でも残雪が神々しい白山。
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奈良時代から、平安、鎌倉時代にかけ、 今で言う「パワースポット」として大ブームを巻き起こした山が、 長良川の北にあるのをご存じですか? 岐阜・石川県などにまたがる、標高約2700mの白山(はくさん)です。 日本人は昔から、山を神様だと信じてきました。 白山は、富士山・立山と並んで日本の三大霊山とされており、 あの織田信長も白山の神様を信じていたと言われています。 |
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2017年は、白山が開山して1300年というメモリアルイヤー。 古来、人々が目指した霊峰のパワーを浴びて、 ご当地グルメや、マイナスイオンの滝を楽しむ リフレッシュ旅をしてみませんか? 白山に本格登山をしなくてもお参りできる、開運ルートをご紹介します。 |
※白山に入る修行者のために、石川・福井・岐阜の3ヶ所に登山ルートがありました。
なかでも岐阜からのルートは、静岡・愛知をはじめ全国から訪れる人々で
「上り千人、下り千人」と言われるほどに混み合ったと伝えられています。
1.美濃市 洲原神社で、縁結びを願う |
澄んだ長良川を見おろす、白山の前宮(まえみや)
岐阜県美濃市の洲原神社(すはらじんじゃ)は、白山に詣でる人々が最初に訪れる神社として建てられました。
縁結び、子授かり、豊作の神様として信仰されています。
門からの長良川の眺めは最高です。
長良川沿いに北上してきた白山参拝の人々が、
白山の神域に入る前に、川の水で身を清める重要な場所であり、
体力がない女性や子どもたちにとっては、
旅をここで終えて、遠くの白山にお参りできる場所でした。
境内にある2本のひのき(女性は男ひのき、男性は女ひのきを)を、
参拝者が抱きかかえ願うことで、良縁に恵まれると言い伝えられています。
2.清流が流れる郡上八幡で、楽しいおさんぽ |
かわいいローカル鉄道に乗って、川の景色を満喫
洲原神社や郡上八幡、このあとの長滝白山神社へ行くには長良川鉄道がオススメ。
ローカル鉄道ならではのレトロ感と、車窓から見える長良川の澄んだ青緑は
思わず写真を撮りたくなります。
フォトジェニックな郡上八幡。きれいな水のあるところには、おいしい物もアリ!
長良川上流の郡上八幡は、城下町の古い町並みに水路が走り、情緒があります。
清流の音をBGMに、テイクアウトの塩焼き鮎をほおばる幸せ。
名物・郡上八幡天然水サイダーを片手に、石畳の小道をゆったり散策。
「これ美味しそう!」なんて会話を楽しみながら、お土産も探したい。
ちょっと足を延ばして、無料で利用できる足湯で旅の疲れも癒してみては?
道の駅古今伝授の里やまとでは、洞窟をイメージした室内に天然温泉が湧いています。
3.長滝白山神社は、神様に出逢える入り口。
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いよいよ白山に入っていく拠点。この先は神様の領域
郡上市白鳥町にある長滝白山神社は、
白山に入るために心と体の準備をする修行場で、
鎌倉~室町時代に美濃・東海地方の白山信仰の中心地として栄えました。
白山にお参りするならば、はずせない場所です。
身も心もスッキリ。納涼&パワースポットの滝へ
長滝白山神社から車で15分ほどの場所にある、阿弥陀ヶ滝(あみだがたき)。駐車場からは遊歩道が通っています。
修行者や参拝者によるみそぎが行われた場所で、
白山からの水が湧き出る長良川源流として、
霊場のひとつとなってます。
日本の滝100選に認定された約60mの高さの滝は、マイナスイオン抜群。
夏でもヒンヤリとした空気に包まれて、
白山の「白」の持つ、清浄・無垢・再生のパワーを全身で浴びている気分になります。
近くでは冷たい湧き水を使った流しそうめんも楽しめますよ。
4.神様のエリアで出会う、白山中居神社と樹齢1800年の巨木 |
多くの杉の大木に囲まれた、静かで涼しい境内
白山中居神社(はくさんちゅうきょじんじゃ)は、長滝白山神社から白山頂上までの中間地点として栄えました。
境内は樹齢200〜1000年を数える杉の大木に囲まれ、厳粛な雰囲気に包まれています。
ここまで来ると、標高1000m。夏でも涼やかです。
登山者を見守ってきた、神様の世界に生きる巨木
白山中居神社から登山道を進むと、推定樹齢1800年の『石徹白(いとしろ)大杉』が現れます。
大人12人が手をつないでやっと囲めるほどの巨大なスギの古木。
一見枯れたように見えますが、わずかに残る樹皮が生命を保っています。
木が国の特別天然記念物に指定されているのは、岐阜県内ではここだけ、日本でもわずか30件のうちの一つです。
白山を開山した泰澄の刺した杖が根付いたと伝わっています。
<おさらい>
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白山から流れ出す、長良川をはじめとする川は
里の人々をうるおし、
山の養分を運んで、生き物を育んできました。
命の水をもたらす白山は、人々にとって偉大な神様でした。
信長も白山を信じていた
寺を焼き討ちするなど、宗教に冷たいと思われがちな織田信長。ですが、自らの決意を「白山権現の名において」誓うなど、熱心な白山信仰の持ち主でした。
また、金華山頂の岐阜城のそばに「上之権現」を祀り、白山を遠く拝むことができる場所としていたという説があります。
「枕草子」にも登場
平安時代の女流作家、清少納言の代表作「枕草子」には、
(白山の雪は一年中消えないとされていたので)白山の観音様に、
「庭に作った雪山が消えないように……」と、祈った話があります。
他にも歴史上の偉人たちが白山信者だったという言い伝えが多くあり、
白山の存在の大きさが伺えます。
あちこちで賑わいを見せる
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多くの人が白山を修験道の場とするようになったきっかけは、
ちょうど1300年前に、一人の僧侶が山頂に立ったことにはじまります。
奈良時代、越前(福井県)の僧、泰澄(たいちょう)は、
幼いころから白山を遠く望みつつ、修行をしていました。
ある日、泰澄は天空に現れた白山神にお告げをうけ、白山の登頂を果たします。
もともと神童と言われ、強力な霊力を持っていた泰澄は、
天皇の病気を治すなど、さまざまな奇跡を起こしたので、
白山信仰は一気に全国に広まっていきました。
『白山神社』と名の付く神社は全国にあり、中でも岐阜県に最も多く存在します。
また長良川沿いに今でも古道や宿場が残されていて、大いに賑わったことが想像できます。
今年は開山1300年の特別な年。岐阜・石川・福井の3県で盛り上がりを見せ、
特設サイトやキャンペーンが企画されています。
訪れて感じるのがイチバン!
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記念の今年は各地を巡るチャンスです。
人それぞれの旅のストーリーが待っているかもしれません。
▿イメージMovie…〜本当の自分に還る旅〜 ナガラガワ白山カタルシス
◎関連サイト:
▷めぐって豪華賞品がもらえる長良川白山旅スタンプラリー
▷白山開山1300年記念フリーきっぷ(pdf)
▷白山開山1300年記念ツアー3種
▷長良川デパート限定!白山開山1300年記念ご朱印帳
▷長良川の白山信仰を伝えるグループ「美濃白山講」のFacebookページ