《準備号》まずは自己紹介。
これから、長良川の営みを紹介していきます

はじめまして。おさかなライターの新美貴資です。これからこのコーナーで、
長良川の魚をはじめ、漁や魚食のこと、
川と生きる人びとの暮らしや流域の伝統文化を取材するなかで
見つけた発見、
体験した驚きなどを
みなさんに紹介していきたいと思います。

振り返れば、これまでずっと魚と関わり生きてきました。
名古屋の町のなかで生まれ、幼い時から海や川にあこがれを持ち、
水のなかの生き物たちに夢中でした。
近所を流れる小さな川でザリガニやタニシを捕まえたり、
郊外に広がる田んぼでオタマジャクシやミズスマシを追いかけたりした、
そんな記憶がよみがえってきます。

海や川、魚のことについてもっと知りたい、関わりたいと思い、
大学では水産学を専攻。卒業後は、東京での水産業界紙記者を経て、
名古屋にもどりフリーのライターに。
記者時代は水産にかかわる政治や行政、企業の動きを取材し、伝えてきました。

訪れたどんな場所も大切な現場ではありましたが、
私たちの命をつなぐ原点は浜にあることを、大都会で働くうちに実感します。
情報の発信を通して、食料供給の担い手である漁業者を応援し、
離れてしまった生産と消費をむすびたいとの気持ちから、
名古屋を拠点に伊勢・三河湾の漁港や漁村を歩き、取材を続けてきました。

その過程で、
豊かな海は流域の河川、さらには森が育むことを知り、
川への興味がふくらみました。
この長良川も、伊勢湾の海と深くつながっているのです。
気がつけば、長良川に足を運ぶようになり、
離れることのできない特別なところになっていました。

自然と人の営みが今も残る長良川には、
先人から継承し、次代へつながなければならないたくさんの遺産があります。
多様であることは、豊かであること。
そこここにある確かな今を探して、流域の各地を歩いていきたいと思います。