岐阜県・福井県・石川県・富山県に広くまたがる「白山」は、命の水を分け与えてくれる神であったとされます。

岐阜県の長良川をはじめ、その峰々から流れ出る水は、平野を潤しそこに文化が生まれ…

白山の頂上への登山道(禅定道)の3つの拠点は、「白山の三馬場(さんばんば)」と呼ばれました。

(馬場=馬でそこまで行き、馬をつなぎとめておいた場所、あるいは馬がそれ以上進めない神域への入り口だから、そう呼ばれたという説が残っているそうです。)

その一つが、ここ美濃馬場こと岐阜県郡上市白鳥町にある『長瀧白山神社』です。

白山の「白」が意味する霊性(清浄・無垢・再生など)は、多くの人々をいざないました。

ちょっと小難しい話ですが、「とってもありがたい場所」であることはお分かりかと。

こちらで毎年1月6日に行われる「六日祭り」へ、ORGANスタッフ総出で行ってきました。

平安時代初期に白山開山したと伝えられてから、今年はなんと1300年の年!

この記念すべき瞬間を一目見ようと、雪はなくとも極寒の神社にご覧の人だかり。

立派な旗があちこちに。

豊作、豊蚕、無病息災、商売繁盛などを祈願する六日祭り。

メーンイベント「延年(えんねん)の舞」と「花奪い(はなばい)」が始まるまで拝殿をウロウロ。

6mの高さの天井に吊るされた花飾り。木や紙などで一つ一つ手作りされているとか。

なんとこれを奪い合うらしい・・・(初体験の私はまだ想像がつかない)

(立派な龍の絵)

桜、菊、牡丹、椿、芥子 5種の花笠)

こちら、NPO法人 ORGAN 蒲理事長と美濃市の手漉き和紙職人の松尾友紀さん。偶然の出会いにパシャり。

手に持っているのは近日長良川デパートで発売予定の「白山開山1300年限定企画!御朱印帳」!!!

岐阜の魅力が大集結し、ついに完成しました!

製本は伝統技術を受け継ぐ有文堂さん、郡上の長良杉の両表紙は郡上割り箸さん、そして松尾さんの手漉き和紙で用紙を。

表紙デザインはおなじみORGANデザイン室の山田さん。

どうしても欲しい!という声が続出・・・お値段や発売日などの詳細は長良川デパートFacebookにて!

さていよいよ催しが始まり、厳粛な空気に包まれます。

青年会議所チームは円陣組んで気合を入れます。
「延年の舞」は、酌取り、とうべん、田楽、など9つのおどりを総称。
酌取りは、2人ずつの上酌(かみじゃく)、下酌(しもじゃく)の盃事で、ただただ無言で厳かに進行していきます。

次に菓子まき。ポン菓子のようなもの(恐らくポン菓子)を参拝者に向かって投げ与えたかと思ったら・・・

そそくさと片付けられ、笛などの楽器演奏とともに踊りがスタート。

そもそも「延年」とは、その後の能や歌舞伎へと繋がる日本の最も古い芸能だそうです。

そして舞の奉納が行われる中、一つの花笠の下がざわつき始め・・・

威勢のいい掛け声と共に、若者たちは勢いよく人やぐらを組み、1段2段・・・

瞬く間に駆け上った青年がその体重でもって見事花笠を落とし、その花を奪おうとする集団が一気に群がります!

私は、目の前で繰り広げられる出来事にたじろぎながらも、誰もが見逃した足元に落ちた一本の花を確保しました!(よく分からないながらも、やったーーー!!!)

かつては、花笠の舞という演目があり、5人の花の精の役者は舞が終わると頭につけた花笠を観衆に投げ与えたという。

ところが、人々は誰よりも先に奪いたいと争うようになり・・・舞の途中からでも頭から直接奪い取り、舞人の首を折る事後が起こったのだそう。以来花笠の舞は演目から消えたと言われているそうです。(引用:白山文化手帖より)

(人の欲望というものは恐ろしい・・・)

そして幾度と形を変えながら、現在の花奪いになったとされます。

淡々と舞が繰り広げられる中、2つ目3つ目と花笠は次々に落とされ人々の手に渡っていきます。

綺麗な花をとった人、枝の部分だけの人、くしゃくしゃの花だけの人。

たったの破片ですら手に入れようとみな必死。この上にぶら下がっているのは少年ですよ!

ご覧の通り、花の部分は数百ほどあるのですが、藁(わら)でできた輪っかの中心部分はたったの5つだけ!

それを手にいれようと思ったら・・・相当たる欲望と根性と運気が必要なわけで。

一度手にしたら二度と離すまい!と威勢のいい殺気立った老若男女が揉みくちゃになり・・・今にも殴り合いの喧嘩寸前(恐らく過去にはひどい状況があったでしょう。)

今ではジャンケンで決着をつけるそうです。そして、それを手に入れたラッキーボーイがこちら!

舞妓列車などで活躍する鳳川伎連の若き幇間(ほうかん)辰次さん23歳!!!!

白山開山1300年という節目かつ年初めに・・・今年一年のご活躍が楽しみです。(ちなみに花をゲットした私も(笑))

ということで、延年の舞の「静」と花奪いの「動」が織り成す芸能「六日祭り」

来年は是非あなたも、この死闘の戦いを生で体感してみませんか?

最後に可愛い写真。