美濃手漉き和紙工房「Corsoyard(コルソヤード)」へ
見学に行ってきました!
長良川デパートの店長 河口です。
素敵な和紙雑貨を納品してくださる、岐阜県美濃市の手漉き和紙製造工房「Corsoyard(コルソヤード)」さんのところへお邪魔してきました。
豊かな水によって、植物が和紙に変わっていく
建物の裏には、美濃和紙の原料となる
楮(こうぞ)や、とろろあおいが栽培されています。
そこには、やぎが4頭、アヒル2羽が気持ちよさそうにすごしていました。
目の前は長良川、なおかつこの自然豊かな環境!わくわくしてきました!
真っ白でキラキラした美しい毛並。
←黒い子は「弁慶」。
透明感あふれる極薄の紙が、手作業で生まれていました
この日は、水うちわに使われている雁皮(がんぴ)紙を漉いていました。
雁皮紙は15ミクロン(0.015mm)ととても薄く、初めて見たときは手漉きでこんなに薄い紙が漉けるのかと大変驚いたことを覚えています。
原料の「雁皮」は栽培が難しく、自生しているものを刈ってくるのだそう。
細かくほぐした雁皮と、とろろあおいの根を濾過した粘液を、水に溶かします。
↑ とろろあおいの根。この粘りによって繊維が絡まず、ムラのない和紙になります。
手際よく簀桁(すけた)を縦に横に振りながら、漉いていきます。
↑液体から和紙になる瞬間。
和紙の主な原料は、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)といった植物の幹の皮。
皮をはいで、水でふやかし、煮て、外皮やちりを取り除き、ようやく和紙の原料となります。
どの工程でも、たくさんの水を必要とします。
水の豊かなこの地だから、和紙漉きが栄えたのだと、深く納得した瞬間でした。
障子を閉めたほうが、部屋が明るくなる!?
「美濃和紙」はかつて優良な障子紙として認められ、確固たる地位を築きました。
和紙には、特性として光を拡散させる効果があり、障子を閉めたほうが、部屋全体が明るくなるんだとか!
確かに、我が家の東向きの部屋の建具に美濃手漉き和紙を張ったのですが、廊下がとても明るいのです。ふんわりととても心地よい明るさは和紙の特性だったのか……!
ますます愛着が湧き、毎朝清々しく和紙の透け感を眺めています。
植物から原料をいただき、また自然に還る。
美濃だから、手漉き和紙だから、澤木さんだから、できる和紙。
澤木さんは、一貫して「本物」の和紙であることを突きつめて制作されています。
「本物」とはなにか。 |
植物から和紙になるまでには、さまざまな工程があります。
その中で薬品を使うことなく、
すべて植物から原料を得て制作すること。
それは伝統を守ることでもある。
澤木さんは、
伝統を守り、
職業としての手漉き和紙を残し、
手仕事のフェアトレード(生産者や原料を明確にし、適正な価格で取引することで、生産者を持続的に支える仕組み)を目指しています。
その強い意志が、制作環境や作品に見て取れます。
Corsoyardの和紙から生まれた、心ときめく精緻な紙雑貨
長良川デパート湊町店でもお取り扱いしている「カミノシゴト 本美濃紙のピアス・イヤリング」。
あまりに小さな鶴であること、手漉き和紙でできていることに、店頭でもみなさんが感嘆の声をあげます。
この夏発売されたばかりの金魚のアクセサリー。
これは、弟子である有澤悠河さんしか作ることの出来ない、大変技術を要する作品なんだとか。
折り紙作家でもある有澤さんは北海道出身。和紙が好きで、全国の手漉き和紙工房を訪ねてまわった結果、澤木さんの理念や想いに魅かれ、コルソヤードへ。
若き後継者に期待が膨らみます。
自ら和紙を折って使う「珈琲フィルター 立花」
こちらも今年の新商品。最高級のコーヒーフィルター「立花」です。
こだわりぬいて漉き上げた極薄の珈琲フィルターは、味も極上。
珈琲の持つ旨味、油分を余すことなく抽出することができるため、とても深くまろやかな味わいになります。
原料に使われている楮もとろろあおいも、澤木さんが栽培されている正真正銘「美濃市立花産」なんです。
心もとなく感じてしまうほどの透き通る薄さ。
佇まいの美しさは、純粋な素材の強さと澤木さんの想いを表しているかのようです。
普段使うフィルターとの味の違いは、ぜひ一度試してみていただきたい!
気になる方は、今秋の「長良川おんぱく」で、このフィルターをつかって珈琲を淹れるプログラムが開催されますので、ぜひ体験してみてください。
▷長良川おんぱく
プログラムNO.94 ~最高級の手漉き和紙「立花」で 最高の珈琲を淹れる~
珈琲好きな紙漉き職人と 「立花」を折って 淹れてみよう